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TEXTILE COLUMN福田織物のテキスタイルコラム

インフレが止まらない。糸値、石油の値上がりで繊維産業が危ない

2021.11.23

糸値が、上がっている。そして石油も値上がって、インフレが止まらない。

皆さんの、食材、生活品の値上げが続いております。

我々の、繊維産業も、インフレの波が、大きく打ち寄せてきました。

これから、すぐに日本製の生地が、値上がりが起こります。

日本の経済は、デフレで、何十年も超低水準の物価動向が続いたため、何で?値上がりするの?

その原因を解説していきます。


目次

生機値が上がる

①投機

②世界消費高を生産高を上回る

③新疆綿が、人権問題で敬遠されている

④コロナ渦で生産ができないから

染色加工場が大変なことになっている

①石油の高騰

②染料高騰と入荷が待ち

③仕事量の激減


ニューヨーク綿花定期相場は、9月末には、1ポンド100セント越え、10月に入ってからには、110セントを付けたが、11月に入ると、一時119セントに急騰した。

このような原因は 4つある。①投機 ②世界消費高を生産高を上回る ③新疆綿が、人権問題で敬遠されている ④コロナ渦で生産ができないから

では、説明していこう。

①投機筋

投機筋の利益確定売りと実需家の押し目買いが交差する展開が続いている。先物価格だけでなく実勢価格の地数となるコットルックAインデックスは125セント前後で高止まりしており、紡績の綿花調達コスト上昇は深刻なレベルを越している。

NY綿花チャート

②世界消費高が生産高を上回る

2021~22年綿花年度の世界生産高を2年連続、上回ると予測されていることから、需要バランスのタイト化で上昇が続いている。

その理由は、新型コロナウイルス禍で停滞した世界経済が正常化に向かい、綿花消費を押し上げる一方で生産が需要回復に追い付かず、需給バランスのタイト感が続いている。そうした中、世界的な金融緩和を背景に投機筋の資金が旺盛に流入しており、相場を大きく押し上げている。

今季2021~22綿花年度世界綿花需給見通しの10月次予想が発表されるが、米国、中国、インドの収穫高予想が下方修正されるとの見通しが強まったことも相場を押し上げる要因となったようだ。

③新疆綿が、人権問題で敬遠されている

新疆綿とは、新疆ウイグル自治区で栽培される綿(コットン)である。

中国によるウイグル族への強制労働があるとして、欧米が問題視する新疆綿(しんきょうめん)をめぐり、非買運動が起こり、糸も使用することが大変難しくなっている。

世界の綿花生産量(2018〜2019年)トップ3は、1位が中国(604万トン)、2位がインド(535万トン)、3位がアメリカ(400万トン)で、中国は全世界の生産量(2574万トン)の23%を占めている。

また、新疆の綿花生産量(511万トン)は中国生産分のうち84.6%に達しており、新疆綿は、世界の綿生産量の19.8%の生産割合になっているのである。ここがなくなると、綿花不足になるのは間違いなく、綿が貴重な資源となり、高騰しているのである。

④コロナ渦で生産ができないから

インドも、2020~21年は、コロナ感染者3,450万人、死者46.6万人でている。2021年は。1年間通して、ロックダウンを発令し、11月に入るとロックダウンがなくなった。インドと言えばスビンなんだけど、今年の6月には、スビンを購入するため、何度もインドに連絡したが、「今年度には、スビンを輸出することができるかわからない。」言われた。理由は、「ロックダウン行われているため、紡績工場を安定的に動かすことができるか保証できない」と言われ、スビン購入を断念した。また、6月の頃は、ヨーロッパのテキスタイルメーカーが、スビンの先物買いをしていたことも事実である。

このような4つが、交差して、今回のニューヨークの綿花定期相場が高騰したのである。

綿糸の件は、このように、ニューヨークの綿花定期相場は、1ポンド110セント以上は、国内の綿糸価格では、2020年の糸値から25パーセント以上の値上がりを確定したいる。生機値も、今後数十円後半の値上がりは、確実で、超長綿を使用する綿の細い糸で織っている生機は、100円以上の値上がりは確実になる。

2022年から、国内生産の生地は、高くなります。

本当に、危機感を感じて仕事しています。

  

また、問題は糸だけではありません。まだ、頑張って価格を抑えている染色加工場が、大変な事になっております。

染色加工の問題点は3つとは、①石油の高騰 ②染料の高騰 ③仕事の激減 があります。

①石油の高騰

石油製品価格調査によれば、11月15日のレギュラーガソリン1リットルあたりの小売価格は 171.4円で、年初の2021年1月4日時点(137.7円)からは34円ほど値上がりしています。

このため、ほとんどの加工場は、エネルギー多消費型である染色加工場に大きな影響を与えています。

原因は、OPECが、石油の生産調整計画の現状維持を決めたので、事前には追加増産の観測もあったが、見送ったことで、原油は値上がりしました。ここでは詳しく書きませんが、世界的にガソリン価格の高騰は大きな問題になっております。

また、円安、1ドル=115円代に値下がり、約5年ぶり円安ドル高水準となっいていますので、染色加工場は、今後、更に、エネルギー多消費型である染色加工場に大きなダメージになります。

  

②染料高騰と入荷が待ち

現在、天然繊維の染料は、中国生産のものが中心で、値上がっているそうです。また、一部の色が不足しているそうです。

③仕事量の激減

このままいけば、染色工場は、資金的にショートすることは間違いないはずです。

コロナ渦での、2021年の3月~10月まで、全体的に染色加工の生産高が、50~80%ダウンをしていました。(綿、麻織物)

これは、調査統計ではなく聞き取りですので、必ずしも正確な数字ではありませんが、個人的には、かなり近いものだと思っています。

近いうちに、加工場の大幅の値上げは起こる。と思われます。染色会社を廃業するか、染色単価を上げるかの、どちらかの選択しかないのです。

生機の大幅の値上げ、染色加工の値上がは、確実である。とんでもなく日本産の生地が高くなる。また、繊維産業全体の廃業の流れも加速しそうな感じであります。

インフレを、国内のアパレルが受けいれなければ、日本の繊維産地は、必ず沈んでいくことになるでしょう。

今回は、織物工場、染色工場を、ピックアップしたが、繊維産業は、このほかにもたくさんの業種もあるので、今回のインフレは対応できないのが事実であります。

2022年は、かなりきついインフレになります。

どうなるのか?本当に心配です。

まとめ

2022年は、生地値は高騰します。

また、繊維産業の川上、川中のポジションは、かなり厳しい状況なため、廃業が進むと思われます。

インフレと、モノ不足は、今までにないくらい、深刻になりますので、早めの素材手当をお勧めします。

 

 

 

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