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TEXTILE COLUMN福田織物のテキスタイルコラム

光透けるストール 染色編

2020.10.03

光透けるストール、超細番手コットン織物の生機が、ようやく出来上がった。しかし、染の問題が大きくのしかかってきた。

要するに、染められないのである。

この、コットン120/1のストール生機を、いつもお世話になっている染色場では、染まられないと断れてしまった。

理由は、生地が繊細のため、液流染色で染めると、目ズレを起こしてしまう。ことだった。

織物染色の難しさは、ただ勉強知識では、私にも限界を感じた。

日本にある染色機では、染めれないのだ。それも、世界一のコットンストールを作るには、染色という大きな問題の山が私の前に聳え立っていたのである。

柔らかさと、牧心地を重要視してしまったからだ。さすが、染まで考えていなかったことには、大反省をした。

しかし、遠州の加工場がダメなら、日本全国には、まだ、たくさんの染色工場がある。

1件1件、染色工場を調べては電話して、染めていただきたいと,お願いしていく中、何件かは、光透けるストールを染めていただくことになった。

しかし、光透けるストールは、染まってきたが、やはり、生地の目ずれが激しく、商品価値のないものばかりだった。染めて頂いた染色工場には、大変、迷惑をかけてしまった。やはり無理なのか、先染めで作るしかないのか?と、不安と焦りに、私の心は折れ始めていった。

諦めかけていた時に、数件のうちの1社が、見事、綺麗な染色で染め上げてくれた。多少は目ズレしていたが、修正で直せる程度だった。そこは、京都の染工場M染工だった。また、M染工の染色の色艶が、バッグンに良く、色の出し方が、驚くほど濁らない染色だった。

光透けるストール見本が届いてから、私は、翌日には、新幹線で京都に向かうことになる。もちろん、M染工に行くのである。確かめたかったことと、心からのお礼だ。ようやく、光透けるストールができたのだから、夢までみた、世界一のラグジャリーコットンストールが完成したのだから。

京都といえば、西陣、伝統的な織物産地である。M染工は、京都の中心街にあり、そこの住所に着くが、染色工場が見つからない。町並みは、商店街と一般的な住宅が密集していて、染色工場が無い。間違っているのかと、携帯から電話すると、一般民家から、M工場社長(当時は専務)が、ひょっこり出てきたのには驚いた。民家から出てきたので、私は「工場はどこですか?」と質問すると、出てきた民家の奥の中に案内してくれた。京都は全般的には、住宅は、細く長いのが特徴で、M工場も、一般住宅を改装した染色工場だった。細長く工場にある染色機も、基本的には小型の染色機で、「光透けるストールは、小型の染色機械で染められた。」言われ見せていただいた。逆に研究所みたいな工場と思っていたが、ただ、染色機が数台置いてるだけの光景だった。

M染工場社長に、染色の発色も、他社と違い、素晴らしいこと? その理由を聞くと、「京都の水は、琵琶湖分の水が、この京都の地下にある、何百年前の、京都の地下水だからこそ、このような発色良い染ができる。」と言われた。

さすがに、信じられない。と私の頭の中ではよぎった。染色は、科学式で、色がでるのだから、そして、数百年前の水がと言われても、論理的な説明が無かったので、これは、M染工場が技術を隠していることと数年間、思い込んでいたのである。

この件が、事実を知るには、数年後、イタリアで行われるミラノウニカでの出来事だった。私は、ミラノウニカ展に出展しているとき、イタリア人が、M染色工場で染めた光透けるストールをみて、弊社でも扱いたいとブースに入ってきたのは、なんと、ロロ・ピアーノ・の会長だった。商談は成立しなかったが、その時も、ロロピアーノの会長も、色の綺麗さは、水であると。M染工場の社長と同じことを言ったことに驚いた。まだまだ染色の技術だけではない世界があるんだ確信にかわった瞬間でもあった

話は、戻すが、M工場の技術は、光る透けるストールのために、染色機も、特別仕様を新品で購入してくれたおかげで、2020年4月末まで、安定した製品を染めて頂いた。

京都のM染色工場で染めて頂いた「光る透けるストール」 綺麗な染色です。

 

ここは、細かお話は出来ないのは、M染色工場企業秘密があるからだ。

しかし、残念ながら、M工場も、2020年4月末、超順調だったのに、M工場社長の高齢化による、M&Aで会社を売ってしまった。初めの話だが、会社は引き続き、違う場所に、工場を継続のはずだったが、新型コロナの問題で、廃業が決定してしまった。

このような世界でも、超レベルの高い染色工場さんが、毎年、廃業していく。今回も、M&Aだったのに、新型コロナで、私が知っている限りでは、初の廃業となったわけだ。

在は、振出戻ってしまっが、東京での染色工場のお願いしたところ、染色、目ズレはなかった。色は、今夏ペールカラーだったので、判断しにくいが、素晴らしい染色技術だ。そして今後はU染工でお願いしていくことになる。明るい未来が見えた。

光透けるストールの染色は、今でも難しいと思っている。U染工も、さすが世界トップクラスの染色工場だ。

無地染色から、プリントも自社企画で

光る透けるストール2020年AWコレクション YouTubeで

https://www.youtube.com/watch?v=BaHbwrqZ50M&t=64s

ストールの購入は下記のオアンラインショップで

https://fukuda.ocnk.net/