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TEXTILE COLUMN福田織物のテキスタイルコラム

想像してみて下さい。織物産地が無くなるとどうなるのか?

2022.04.18

「想像してみて下さい。織物産地が無くなるとどうなるのか?」

とTwitterで書き込みました。

このワードは、今後、何年後に起こることだと思っています。

さて、私のいるポジションからの、仮説になりますが、このようにTwitterに書きこみました。

「国内のファッション産業だけでなく、ほとんどのクリーエーションされる繊維産業関連は世界的に競争力を失うでしょう。

利益を追うビジネスでは、新しいものづくりが生まれない可能性があります。」

このように書き込んでしまいました。

訂正します。

「利益を追うだけのビジネスでは、新しいものづくりが生まれない可能性があります。」

Twitterの少しながら反響はありましたので、コラムで書くことにしました。

繊維産業のポジションによって、この業界の見え方、考え方の違いがあり賛否両論であります。

私は、45年間繊維産業、織物工場に携わってきましたんで、みなさんと見る景色が違うので、ただの織物工場のオヤジのつぶやきになりますのでご理解をください。

 

現在、繊維関連の商品は98%以上が海外からの輸入になります。2%も満たない小さな繊維産業の中で仕事をしています。

今さら、この業界を「助けて下さい。」と思っていません。

自由経済の中で必要でなければ無くなることが自然であり、2%のなかで生き延びていくためにも、しっかり競争していかなければ生きていけません。

「想像してみて下さい。織物産地が無くなるとどうなるのか?」では、何を言いたいのか?

ある意味、「警告」であります。

いつかは繊維産地は無くなり、個の繊維事業者だけになったとき、なんでも作れる時代は終わります。

残った個の繊維事業者は、得意な生地に特化していくしかないのです。ようするに織れる織物が限定するのです。

その理由は、国内繊維産地のほとんどが分業ですので、紡績、 糸商、サイジング、織物工場、染色、仕上げ工場など、たくさんの工程があります。

この、たくさんの工程を掛け合わせながら、糸×織×染色の多彩な組み合わせでクリエーションされた生地ができてきます。

かけ合わせができるから、数多くのユニークな生地ができるのです。だから日本製の生地は世界的に競争力があるのです。

分業ステムこそ、国産繊維産業の強さであり、または欠点にもなっています。

このクリエーションされた生地、日本の独特な風合いされたテキスタイルは、海外に渡りラグジュアリーブランドから高い評価と販売に実績に繋がっているのです。

欧米から見たら、日本のテキスタイルは世界トップクラスの地位にいるんですが、国内需要と供給がずれているので近未来は厳しいことになります。

刻刻と時間が経ち、繊維産地が確実に”ほころび”がきています。今後、採算が合わなくなったサイジングや染色工場などが廃業と言われたら、もう分業体制は終わりです。

1つでも分業事業者が無くなった場合は、産地は一気に破壊が始まり、織物工場は廃業が進み、利益をだしている優秀な工場さえ辞めなくてはいけない決断がくると思います。

織物工場が生き残るには、強い覚悟を決めて自社でのサイジング、染色工場を持って1貫生産を目指すか?

または、日本国内を繊維産地としてネットワーク基盤をつくるしかないと思っています。

頭の良い会社は、もうM&Aを始めて1貫生産体制を行っています。気になるようでしたらネットで名前は調べてください。

そうなると、産元も消滅しますし、国内のコンバーターも消滅していきます。アパレルは、今までのサービスが受けられなくなります。

日本の生地には興味ない方もいるかもしれませんが、海外だけの生地になると、テキスタイルのクリエーション、ユニークさは半減します。

海外ではイタリアの生地もあるし、今や中国でも、日本以上素晴らしい生地があります。

しかし、これでいいのでしょうか?

「私は、日本の生地こそが、日本のファッション業界に必要と思います。」

イタリアの総合テキスタイル展示会ミラノウニカ展に10年間、福田織物として出展しましたが、

日本のテキスタイルは確実に人気がありますし、世界のトップブランドに販売実績があります。

今の日本のテキスタイルの実力は間違いなく世界トップクラスです。間違いありません。

もし、数年後に繊維産地が無くなった場合、国内アパレルは海外の生地を調達しなければならなくなります。

生地も縫製も海外で作ると残念ながら差別化が難しくなります。

場合によっては価格競争に落ちいることになります。

アパレルが本気で差別化するには、やはり素材だと思っています。とくにユニークな素材です。

数年後かわかりませんが、繊維産地が無くなった。場合のシュミレーションをアパレルは考えないといけないと思っています。

 

話しを戻しますが、私の結論は、「繊維産地を残す」です。

繊維産地、2%未満規模だけど、ファッション業界はここを守るべきです。

 

では、繊維産地が無くなった場合、ファション業界5つデメリットとは?

繊維産地が無くなった場合のデメリット①

織物工場がかなり少なくなるわけですから、生地は輸入ものしか買えなくなること。

小さなアパレル、差別化をはかるには、デザインと素材になりますが、素材は海外でしか買えない場合は、輸入商社から購入か、又は、海外に行って生地探しをするか?

言葉の問題や、商習慣の違いなどがありますので、中堅以上のアパレルでしたら海外での生地調達は商社を通して買えるかもしれませんが

小さなアパレルのとって厳しい状況になる可能性があります。

 

繊維産地が無くなった場合のデメリット②

染色ができなくなる

織物工場が少なくなれば、国内の染色工場も厳しし経営に追われるでしょう。

輸入生地があるといっても、国内の生地が加工場に入ってこないと安定した経営が難しくなります。

時々、染色工場の社員なのか経営者なのか?知りませんが、「うちは大丈夫」と威勢いいいこと言ってますが、目の前の事しか見えないのかな?と思います。

織物工場が今より少なくなれば、国産生地がかなり少なくなるのですから。いずれタイムラグで染色工場の仕事が減少するはずです。

また、染色工場も減り出すと、染料メーカーも撤退します。

もう現実に、廃業していく染料メーカーも出てきました。

ファッション以外での染色加工業も染料不足で苦戦することになるでしょう。自分だけ儲かる時代は終わりました。

 

繊維産地が無くなった場合のデメリット③

縫製工場が減る

残念ながら、織工場、染色工場が今より少なくなると、国産生地がかなり減り、今より縫製工場厳しい状況になります。

でも、現在でもかなり縫製工場が減っているから、もしかして影響は少ないかもしれないと仮説もたてられますが、やはり減る可能性のほうが高いでしょうね。

 

繊維産地が無くなった場合のデメリット④

糸が購入が困難になる

商社も、日本向けで糸の購入も少なくなりし、いつでも買える糸さえ簡単に買えなくなります。

需要が減るからです。

織物で一番大事なのは原料です。世界一高い原料や、希少価値の糸も、糸商や商社に力があるから買えますが買う力が無くなったら終わりです。

資材メーカーも糸購入が簡単ではないことに気づくでしょう。

余談ですが、ウクライナの戦争やコロナの影響ありますが、本当に怖いのは円安で、輸入綿糸はどれくらい価格が高くなるのかわかりません。

 

繊維産地が無くなった場合のデメリット⑤

生地や製品の輸入コストが上がるが国内生地値もかなり上がる

国内生地も、現在生地がとんでもない価格が上がっていますが、同じように輸入生地や製品も上がってきます。

しかし、繊維産地が無くなって場合は、国内生地も価格も高くなる可能性が高いです。

ようするに、国内供給が少なくなれば需要に追い付けなくため、生地の高騰の可能性はあります。

 

円安について

現在、日本の大企業はグローバルになりましたので、生産地は世界各地に散らばっておりますので

日本での輸出はあまり増えておらず、逆に輸入が増えています。

2011年から日本は輸入額が輸出額を上回って貿易収支は赤字になっております。

【図1】日本の貿易額(輸出と輸入)の移り変わり(1980年-2020年)

出典:財務省

だから必ず為替は円安に進みます。

今まで安く購入できた製品が、今まで以上に高い買い物になります。

安く買えなくなる時代が来るかも知れません。

以上、繊維産地が無くなると5つのデメリットになります。

 

まとめ

資本主義なので必要でなければ、繊維産地は無くなるでしょう。

産地を守るのは、産地の働いている人が頑張るのが絶対必要条件になります。

でも、アパレルが産地をしっかり取り組んでけるような繊維産地を構築しなければなりません。

目的⇒目標⇒戦略⇒戦術 の手順ができていないが遠州産地の現状です。

目的をしっかり決めていくことが一番大事なのです。

産地を守りのは、産地で働いている人達が必要とされる商品やサービスをアパレルなどに提供することを戦術として考えて行動することだと思っています。

私からの見えるポジションですからの仮説で未来図を描いただけなので外れる可能性が大きいと思ってください。

 

 

 

 

 

 

 

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