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TEXTILE COLUMN福田織物のテキスタイルコラム

日本の生地は、なぜ、単価が高いのか?

2021.01.08

日本の生地は、なぜ、単価が高いのか?

良くお客様に、「国産の生地高いよね。」と言われます。

ほんとに、高いのですので、生地値が高い理由を解説していきます。

 

日本で真面目につくれば作るほど高くなってしまいます。

国産で安い生地ありますが、生機は、中国から輸入したものが多く、日本中の染色工場で染められているものだと思います。

国内生地に比べれば、とても安い生地になりますが、遠州産地の生機生産された生地は、かなり高いくなります。

では、日本の生地が高い理由は?


目次

①分業体制の高騰

②染色加工費は、かなり高いものになります

③少ロット生産

④綿織物は大量生産向き

⑤サステナブル。


その前に、弊社の紹介をさせていただきます。

静岡県掛川市で織物工場を経営しています。

テキスタイルを企画・製造・販売を行っています。

テキスタイルデザイナーの育成、織物職人の育成を行い、遠州織物産地の持続活性化に務めています。

現在は、コロナで海外販売は苦戦していますが、ほそぼそですが、なんとか海外ビジネスが繫がっております。

国内では、直接アパレルに生地を販売しています。

綿織物の生機織物は、ほとんど、自社生産90% 残りの10%は、産地内の織物工場に、協力していて頂いており、地元の織物工場、染色工場に仕事をまわせるように、日々努力しています。

現役である、遠州織物の職人であり、経営者として、テキスタイル講座、産地情報、テキスタイル紹介などを、コラム、Twitter Youtubeで発信しております。

織物産地の持続を願い、活動しています


①分業体制の高騰

織物産地は、30年前もでは、大量生産と少ロット生産対応ができる体制が整っていました。しかし、近年になると、特に織物産地は、少ロット生産だけしか残らなくなってきました。もちろん大量生産する優秀な織物工場も関西には残っており、日本のトップファッションへの生地供給を続けていますが、リスクを覚悟して設備投資を徹底的にやってきたこと、技術革新もしてきました。遠州織物産地は、少ロット生産に移行しやすかったのは、少ロット生産は、設備投資が要らないからなんです。ノーリスクだから遠州織物産地は、大きな倒産がなかったわけですが、少ロット生産では、手作業おおくなりコスト高になってしまう問題が残されました。

イ)30年間、遠州産地は、織物関連の設備投資があまりされていません。当然、他産地より、技術的遅れもあります。新しいモノづくりができない産地になっています。未だに、織物準備には、古い機械のため、人による手作業が多いため、コストがかかってしまいます。年々コストが上がり、遠州産地の競争力を失っております。

ロ)織物工場が減れば減るほど、分業体制が破壊していきます。最後に残っている工場が、値段を上げるんです。これは、私が40年以上、遠州産地いるからわかりますが、国内競争時代だっら値上げしても問題がないかもしれませんが、現在は、グローバル競争、日本国内生産5%未満ですので。結局は、単価を上げたために、仕事も失って廃業に追い込まれてきました。

残念ながら、現在は、遠州産地は、分業体制は、日本一高い産地になっていいます。

競争力が無くなってきている分業

1.サイジング

2.整経

3.分割

この3つの工程は、他産地比べて設備が遅れているため、単価が上がっていくことになり、更に、遠州産地の競争力を失っていくことになります。

②染色加工費は、かなり高いものになります

染色加工は、日本全国的に、ここ数年、染料の値上げ、高熱費の高騰による、ここ数年間染色加工賃上がってきました。

ポリエステルなどの化学合繊の染色はわかりませんが、染料や光熱費が上がっている以上、同じかと思われます。

2020年には、新型コロナ感染のため、織物産地の仕事量が激減しておりますので、染料メーカーの廃業もありました。これはとても大きな事件です。

染料メーカーまで廃業していく、織物産地外でも、かなり深刻な影響が出てきていると感じます。

今後、染料メーカーは、染料の値上げ、色によっては廃止する色もでてくると言われています。

生地の色合わせが難しくなっているのに、更に、色合わせが難しくなっていくと思われます。

ようするに、染料メーカーが無くなるとことは、現実には、染色加工は、生産量が相当減っている、そして相当厳しい経営環境になっていることは間違いないと思います。

現在は、雇用調整助成金があるため、会社を何とかなっているかもしれませんが、いずれ助成金が無くなるので、その時は、染色加工費の値上がりが必ずくると思われます。

それを考えると、会社を維持するためには染色加工費の値上げはやむ得ないでしょう。

私の個人的の考えでは、染色加工は、仕事量があれば、そして、できるだけ大きなロットが染めれれば、加工単価の上昇はかなり抑えれれと思っています。

繊維分野では、染色加工は、経費の掛かるところが多いので、きっとトータルでしか採算を計算できないのが現実ではないのかなと感じます。

③少ロット生産です。

生地が高いのは、やはり少ロットだからです。少ロット生産は、圧倒的ロスを生み、これでクレームでも貰うと、確実に赤字になります。

私は、社員に少ロットは受けるな。と言っています。

大量で作った綿タイプライターと、少ロットで作ったタイプライターは、ほぼ同じものですが、単価は、とても高くなります。

このコスパは、買っていただくお客さんから理解できなと思っています。

〇少ロット生産は、生機はとても高くなります。

〇綿の染色は、ウール染色よりも加工賃が高いです。

ウールは、織ったばかりの生機を、そのまま染めることが可能です。しかし、綿織物の場合は、生機のまま染めることは可能ですが、染色での色落ち、色合わせなどが出来なくなります。

藍染やインディゴ染は、顔料ですので、大丈夫ですが、綿の反応染料では、色変色が起こりまり、数回洗えば、色が変わりやすいのです。

だから、綿染色は、晒精練を行う。(綿には油が含まれていますので、油を取り除きます。そして生成り色を白くすることで、色合わせしていきます。)

工程が多いので、ウール、合繊よりも、染色加工時間の手間がかかります。

自分でオリジナル色を付けたければ、少ロット生産になり、とても高い生地にななってしまいます。

また、少ロット生産のデメリットは、失敗する可能性があることも覚悟しなければなりません。

④綿織物は大量生産向き

綿織物は、本来は、大量生産向きな生地なので、少ロット向ききではないと思っています。

ウールやシルク、合繊と違い、生地になるまでの工程が多くありからです。上記に書いてある通りです。

⑤サステナブル

高価な生地しかできなくなってしまったが、遠州織物のテキスタイルはとても、サステナブルです。

〇無駄な織物は作らない

〇伝統的織物技術を守っていく

〇織物産業の単価が高いことは、ちゃんとした給料が払われている(結構最低賃金に近い)

〇廃棄物が少ない

〇消費電力が少ない。生地1m対しても少ない

織物産地、遠州産地は、長い歴史があり文化でもある。現在、織物産地が消滅に向かっている。この地域に昔ながら産業として残していきたい。

大手メーカーなど、サステナブルの生地で販売しているが、日本産地工場こそが、サステナブルだと思っている。

まとめ

日本の生地は高いのは、産地としての分業システムだからである。

分業のデメリットを言う人が多く、でも、一貫生産しても、隣の国には敵わない。

しかし、日本の生地には、伝統的なクリエーションがある。

そして、フェアトレードの生地でもある。

モノを安く買うことが、主流になっている現在、本当にそれでいいだろうか?

安いものが買えるようになってから、グローバルになってから、日本は貧困層がはっきりしてきたことも事実である。

そして織物産地も貧困になり、遠州産地は小さくなってきた。

分業システムこそが、伝統織物技術を守れるし、伝統技術のイノベーションされた新しいクリエーションが発揮できる。

ここを絶対残して欲しいけど、難しいのも事実である。

でも、やれることはやってみようと思っている。


私は、静岡県でテキスタイル(織物)を、デザイン、製造、販売しています。

洋服のトラブルは、ほとんど生地の問題になります。

少しでも、洋服トラブルにならないようにお役にたてればと思い、コラムを書いています。

レビュー書いてますので参照下さい。

冬の冬の静電気なくすには。 今売れている洋服素材の特徴を知ることです

有限会社福田織物

代表取締役社長 福田 靖