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TEXTILE COLUMN福田織物のテキスタイルコラム

日本の織物生地値が高くなる理由

2020.05.12

国内織物産地の、織物の生地値が高いのは、基本的には、分業システムだからである。

分業システムとは糸商、糸染、整経、サイジング、経通し、織、、染色 整理に 、簡単なカテッゴリーにわけて7つの仕事が、各企業がこなしていく。実は、もっと多くの業種があるが、今回は、分りやすくするため省いている。

要するに、1社、1社が、単独の会社であるため、利益をとるため、生地を作るため、足し算形式の単価になったしまうため、日本製生地は、どうしても単価が高いのだ。

更に、産地には、いくつかの問題があり、各会社が、染料が上がったから単価を上げる、サイジングも、燃料が高くなったので単価を上げてくる。結末は、生地がとんでもないほど単価が高くなっているのが事実です。今は、織物工場以外、産地内は、加工賃アップが続いています。しかし、織物工場の生機(きばた)単価は、40年間、上がっていないんです。産地のなかでも、織物工場は、特に厳しい条件の中で仕事をこなしています。

  

サイジング(糊付け)            染色機(スウイングエース)       織機(レピア)

では、染色工場も加工賃を上げないと経営が成り立ちません。要するに、私の見解ですが、1m当たりの利益は大きいはずですが、問題は、仕事量が圧倒的少なすぎるからです。そのため、会社維持するため、やむ得なく加工賃を上げています。織物工場は、遠州の黄金時代6000社から、現在は150社程度に減っています。染色工場に生地が入らないから、加工賃を上げていくしかないはずです。現在の、染色加工場は、経営として厳しい状況に陥っています。

また、準備関係のサイジングも、糊付け工賃も、ライバル会社が少ないので、サイジング工賃は値上がりをジワジワ上がっていく、遠州産地の織物工賃仕事は、しだいに競争力が無くなり、遠州産地に綿織物の受注が激減してきました。全ては、産地の末期は、自分だけ儲けようとして、産地分業システムの欠点が浮き彫りになってきました

30年前比べると、生地は、本来、1.5倍以上の生地単価にならないと、会社を存続できないのが事実です。

単価の上昇率(1990年と2019年の比較)

①糸は、30年間、大きく相場は変わらい。今は、安い位と感じる

②分割     50%単価上がっている

③経通し(へどおし)他産地では、綜絖通しという。 約3倍の単価が上がっている」

④整経     2倍、単価が上がっている

⑤サイジング  50%、、単価上がっている

⑥織物工賃   30%以上値下がっている

⑦染色     20%~40%、単価値上がっている

⑧仕上げ    30%、単価値上がっている

糸と織物工場の工賃だけが上がっていないのが事実である。糸の場合は、世界相場なので、ここは問題はないが、織物工場は、逆に単価が下がっているのだ。

問題は、ここにある。

要するに、生地値を押さえるのに、生機(きばた)単価を、安く仕入れてきた、過去30年間、生地問屋は、しらずしらず行ってきた結果、遠州織物工場は減っていったのである。今でも、織物工場の所得は、静岡で1番低い。世界トップクラス技術をもっているのにかかわらず、なぜか廃業していくのである。遠州織物全盛時代は、織物工場数、6000社、現在150社未満、今年も、かなり織物工場が減ることになると思われる。減れば、染色工場などの、効率が悪くなるため、更に、加工賃が上がっていくに違いない。

遠州産地の織物が高い単価なのは、このような「からくり」なのである。

遠州産地、復活させたいなら、織物工場を、これ以上減らしてダメなんだ。弱い所から、叩くと、日本のファッション産業が終わると思う。国内の織物工場に仕事を出されば、日本製生地は、何とかなる。

次回、遠州産地、復活させるためには?

続く