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TEXTILE COLUMN福田織物のテキスタイルコラム

激動の時代を大予測‼ 2022年の日本のテキスタイル産地はどうなる?

2022.01.11

2021年、今まで経験したことがない、世界的コロナ感染という大変な時代を、私達は経験しました。

コロナ感染は、ワクチン効果だったのか、一時は、収束してきましたが、2022年、世界は、新たなコロナ変異株オミクロンで、アメリカでも1日100万人の感染者がでており、いよいよ日本にも、オミクロンが入ってきました。

政府の助成金が、市場に投入され、何とか経済が回っているが、現実には、リーマンショックやサブプライム以上、世界経済はガタガタになっていると思われます。

コロナ感染が2020年から始まり2年も経済で苦しんできました。この結果、日本の産業は、衰退しており、我々の繊維産業は、かなり厳しい状況に追い込まれました。

2022年の日本のテキスタイル産地どうなる? を大予想していきます。


その前に、弊社の紹介をさせていただきます。

静岡県掛川市で織物工場を経営しています。

テキスタイルを企画・製造・販売を行っています。

現在は、コロナで海外販売は苦戦していますが、ほそぼそですが、なんとか海外ビジネスが繫がっております。

国内では、直接アパレルに生地を販売しています。

綿織物の織物は、ほとんど、自社生産90% 残りの10%は、産地内の織物工場に、協力していて頂いており、

もっともっと地元の織物工場、染色工場に仕事をまわせるように、日々努力しています。

現役である、遠州織物の職人であり、経営者として、テキスタイル講座、産地情報、テキスタイル紹介などを、コラム、 Youtubeで発信しております。


では、2022年 日本のテキスタイル産地はどうなる?

目次

①織物工場の生産不足の深刻化

②国内の生機生産量は、2019年のコロナ前の80%位まで回復

③国内サプライチャーンが、破壊していく。

④染色加工費の単価は上がっていく

⑤生地値が、恐ろしく高くなる

【まとめ】


では、順に解説していきます。

①織物工場の生産不足の深刻化

これは、2021年でも、12月の段階で、遠州産地でも、織物工場が廃業が進んでいない。確かなデーターはないですが、私の知っている情報では、織物工場は徐々に廃業が進んでいますが、案外と仕事が無くても廃業しない織物工場が沢山あります。

仕事が少なくても辞めていかない理由は?2つあります。

一つ目は、遠州産地の織物工場で、仕事を行っている人達は、98%以上が高齢しているため、年金受給が多い。

ほとんどが、個人事業者なので、年金をもらえる金額が少なく、そのため織物工場継続することで、わずかな現金収入が目的になっております。生産することでの”売り上げを目指していない”のが現実である。

だから、織物工場の数のわりに、生産量が増えないのは、織物業で生計を立てる事業者がいなくなっているからだ。

二つ目は、織物産地での、分業システムがシュリンクしてボトルネックになっている。特に経通しが少なくなり、とても深刻である。

織物工場の生産性も年々低くなっていますが、織物つくるための準備工程である経通しがボトルネックで、ここの準備関係のために仕事な流れが止まってしまい、織機は空いているのに、経糸を織機に載せることが出来ず、生産ができなくなってしまいます。経通しだけでなく、その他にも、繊維の、分業システムの事業者も、仕事量が無くなり、この業界から去っていく事業者も年々増えており、仕事量が一気に増えても、産地の中は、いくつかのポジションのインフラ機能しなくなっているのが現状です。

この二つが生産不足の要因である。

織物工場での生機生産が少ないと、染色工場の廃業を招く可能性がある。また、さらに産地内の繊維インフラを失うことになる悪循環になっています。

 

②国内の生機生産量は、2022年のコロナ前の80%位まで回復はする

あくまでも、私の予想ですが、皆様との見解の違いもあると思いますが、ご理解下さい。

「国内の生機生産量は、2019年のコロナ前の80%位まで回復する。」と思います。

遠州産地は、①のように、高齢化のため生産量は80%はいかないけど、全国規模では回復すると思われます。

その理由は、それは、”サステナブル”です。

2021年から、国内では、SDGsとかサステナブルの、ワードがいろいろなところから言われ始まていますが、欧米では、こちらにシフトしてきています。

{サステナブルの意味は、(Sustainability)とは、「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」を意味します。 サステナブル(Sustainable)とは、本来は「維持できる」「耐えうる」「持ちこたえられる」を意味することです。この意味を考えると、アパレルや産地の人達が、国内の産地の伝統的な技術文化を残す必要性があることだと思います。}

少しながら、”サステナブル”ということで、国内産のテキスタイルを使用していく傾向がみられるよになってきました。

要するに、”トレーサビリティ”がわかりやすいからです。

どこで織られたのか?どこの糸を使用したいるのか?はっきり明確にしてるためです。

また、サステナブル「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」ということで、苦しい中でもアパレルも、産地を応援してくれているところが増えています。

お互いにコロナ感染問題で、事業が失脚しているなかで、今までは、上下の関係から、ウイウイでのコミュニケーションが活発になりました。未来のアパレル、日本の線産業を盛り立てていきたいと思っています。

 

③国内サプライチャーンが、破壊していく。

2021年では、遠州産地は、かなり分業システムがシュリンクしておりますが、国内の繊維産地も、遠州織物と同じように、仕事量もかなり少なくなっています。

遠州産地だけではなく、国内の繊維産地がシュリンクしていきますが、産地として、ギリギリのところで分業システム機能しているのが現実です。

「国内の生機生産量は、2019年のコロナ前の80%位まで回復する。」と言ってますが、私が思うには、回復=会社存続になりません。

今後、国内サプライチャーンが、破壊していく。ことは間違いありません。

その原因は、二つあります。

・国内の産地で働いている人が高齢化しているからです。

仕事量の減少です。

遠州産地では、2020年には、サイジングの廃業がありました。コロナとは関係ありませんが、織物工場の事業者は、前の文面にも書きましたが、95%以上の高齢者であり、織物工場以外でも、90%以上の繊維関連個人事業者でありますので、年齢的引退は、時間との問題になっております。これは全国の産地も同じ問題を抱えております。

また、織物工場の減少が歯止めが

福田織物も、なるべく多くの若者を入社させていますが、残念ながら、繊維産業がシュリンクしていく状況を、なまなましく見ると、未来に対して失望して、この業界を去っていく若者がいます。私には止めることができないのも事実ですが、でも、本気で織物産業を復活を願って行動しております。

アパレル製品で使用される、国内生地の比率は5%未満ですので、国内産地が無くなっても良いと思っている方が、たくさんいると思いますが、私は、国内の生地サプライチェーンが無くなると、日本のアパレル産業は、かなり競争力は弱くなると思います。

他人のことの不幸は面白がって見えるかもしれませんが、なにもしなと、気づいた時では手遅れになります。

織物業界にいる私とっては、「100%本気で、復活させよう。」と考えています。

これだけは言えます。自社だけが生き延びていけられない仕事は、周りがあって支えられていから生きていけるのです。

是非、遠州産地だけでなくても、国内のサプライチェーンを守っていただけること。お願いしたいです。

 

④染色加工費の単価は上がっていく

染色工場では、廃業していく工場が増えています。染色工場は、更に、厳しい状況に追い込まれていく

では、何故厳しいかは3つの問題点があります。

・2021年からの仕事量の減少。

・光熱費の高騰

・染料の高騰

2022年は、コロナ以前の8割程度が回復しますが、2021年からの仕事量の減少での影響はかなりダメージを受けています。

また、2021年から、世界的にインフレが起こっています。特に、原油価格の高騰は、現在でも上がり続けており、染色工場に大打撃を与えております。

遠州の染色工場は、一部を除いて、週休3日制ですので、高熱費は、あまり掛かってないように見えますが、1日当たりの光熱費は利益を少なくしているのが現実です。

また、染料も高騰しているので、2022年度は染色加工費の単価は上がっていくのは間違いないです。

 

⑤生地値が、恐ろしく高くなる

その理由としては、二つあります。

・糸値の高騰

・染色加工費の高騰

綿花相場は、2021年から、1ポンド100セント越えが始まり、2022年には、115セントで高止まりでいる。2020年前は、1ポンド50~80セントの中で綿花相場だった。一般的には、1ポンド100セント越えすると、綿花原料高騰と言われるが、数か月にたつと、綿花相場は、50~80セントの相場に戻るのが通常だが、今回は、100セント越えは、1年以上続いている。

綿花相場を見ていただくように、綿花は倍ちかく高くなっているので、世界紡績メーカーは、1年間に数回、糸値を上がてきているのである。そのため、織物工場に生機価格は、2022年は、価格が高騰することは間違いなく、場合によって、海外からの輸入生地も、かなり高くなっていると思われる。

糸値が上がる理由は

イ・投機筋

投機筋の利益確定売りと実需家の押し目買いが交差する展開が続いている。先物価格だけでなく実勢価格の地数となるコットルックAインデックスは125セント前後で高止まりしており、紡績の綿花調達コスト上昇は深刻なレベルを越している。

NY綿花チャート

ロ・世界消費高が生産高を上回る

2021~22年綿花年度の世界生産高を2年連続、上回ると予測されていることから、需要バランスのタイト化で上昇が続いている。

その理由は、新型コロナウイルス禍で停滞した世界経済が正常化に向かい、綿花消費を押し上げる一方で生産が需要回復に追い付かず、需給バランスのタイト感が続いている。そうした中、世界的な金融緩和を背景に投機筋の資金が旺盛に流入しており、相場を大きく押し上げている。

今季2021~22綿花年度世界綿花需給見通しの10月次予想が発表されるが、米国、中国、インドの収穫高予想が下方修正されるとの見通しが強まったことも相場を押し上げる要因となったようだ。

ハ・新疆綿が、人権問題で敬遠されている

新疆綿とは、新疆ウイグル自治区で栽培される綿(コットン)である。

中国によるウイグル族への強制労働があるとして、欧米が問題視する新疆綿(しんきょうめん)をめぐり、非買運動が起こり、糸も使用することが大変難しくなっている。

糸値だけではなく、④染色加工費の単価は上がっていくも影響大である。

糸値、染色加工費の値上げは、生地値が、恐ろしく高くなことは間違いない。

これは、国内だけ問題ではなく、2022年は、世界的に生地値は、更に価格が高くなっていくことになるだろう。

 

【まとめ】

2020年のコロナ感染が始まり、2021年になると、グローバルサプライチェーンの分断が始まった。現在でも、半導体不足で、今まで、モノ余り、いつでも買えると、時代から、一時的だが、買えない時代に入った。

すべてグローバルが、良いと思っていたことが、コロナ感染から一転、マスク不足から始まり、現在では、スマホ、車、家電、ゲーム機などが、欲しいときに買えなくなっいてしまった。こんな時代を、予測している人は誰もがいなかったはずだ。

今回の件で、国内での繊維産業が残しておく必要性を、ファッション業界で、真剣に考えて欲しいと望んでいる。

国内のサプライチェーンがあることで、日本のファッションの参入障壁を作り上げていることは事実である。

今回のコロナ感染で、グローバルリスクの怖さを感じ、国内のサプライチェーンを、この機会で見直ししていただけることを望んでいる。

また、今後、残っている繊維事業者が、未来にむかって設備投資をおこなっていけば、少ない人数でも、生産量、クオリティ、納期など、改善できると感じている。政府は、ファッション業界の参入障壁を上がるためにも、繊維産業の応援を頂きたいと願っている。

国内織物産地技術は、世界トップクラスであるこは間違いない。国内の、織物製造、染色技術が無くならないうちに、国内アパレルは、絶対利用するべきである。このままいくと、いづれ中国ファッションブランドが、国内ブランドに変わっていくことになるし、中国ブランドは、したたかな戦略で日本マーケットを牛耳る時代が目の前に来ているのは確かだ。

是非、産地に仕事を。

 

 

有限会社福田織物

代表取締役社長

福田 靖

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