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TEXTILE COLUMN福田織物のテキスタイルコラム

綿織物の準備工程  遠州産地の分業の役割 

2021.01.14

綿織物の準備工程  遠州産地の分業の役割 

織物産地は、生地が、紡績、織り、染色、仕上げ一貫生産で織られていません。

綿織物産地の、大半が分業システムになっております。(藍染などの伝統織物工場を除いて)

一般の産地の織物工場は、生機だけを織っているだけになります

(生機とは、糸を製編機織して得られる面状の布で、染色・仕上げ加工される前の布を指します。 絹の未精練布の場合は「生成り(きなり)」、織物では「織り上がり、織り卸し、グレー」などと呼ばれています。)

結構、誤解されているのも、事実で、織物工場に行けば、染めた生地があると思われていますがありません。

もちろん買えないし、染めることのネットワークもありません。一部の織物工場は、織、企画、染色を、すべてやっている工場は、少ない数しかないはずです。

この分業の役割をコントロールしているのは、産元になります。

産元とは、織物産地の分業業者に仕事依頼しながら、糸から織、染までを行っています。

生地を購入できるのは、産元に問い合わせて購入することができます。

織物工場で、直接買いたい場合は、産地を調べれば、織物工場でも自販を行っているところまありますので問い合わせれば良いと思います。


複雑な産地の仕組みを、今回のテーマとして、綿織物の分業工程 を解説していきます。

目次

1 .糸商

2.分割(ワインダー)

3.荒巻整経

4.サイジング(糊付け)

5.経通し(へとおし)

6.織

7.染

(綿織物産地、無地染の分業業種になります。)


その前に、弊社の紹介をさせていただきます。

静岡県掛川市で織物工場を経営しています。

テキスタイルを企画・製造・販売を行っています。

テキスタイルデザイナーの育成、織物職人の育成を行い、遠州織物産地の持続活性化に務めています。

現在は、コロナで海外販売は苦戦していますが、ほそぼそですが、なんとか海外ビジネスが繫がっております。

国内では、直接アパレルに生地を販売しています。

綿織物の生機織物は、ほとんど、自社生産90% 残りの10%は、産地内の織物工場に、協力していて頂いており、地元の織物工場、染色工場に仕事をまわせるように、日々努力しています。

現役である、遠州織物の職人であり、経営者として、テキスタイル講座、産地情報、テキスタイル紹介などを、コラム、Twitter Youtubeで発信しております。

織物産地の持続を願い、活動しています。


1 .糸商/紡績

まずは、織物で一番重要なのは、糸になります。産地の中に、紡績がありますが、基本的には、糸商から購入することが多いです。紡績から購入は可能ですが、買うチャンネルが多いほど、ユニークな糸に出会える可能性があります。

糸商は、世界各国から、良い糸を探してくれますし、また、安心な糸を供給してくれます。

綿糸は、国産のものが、少数で、後は、海外産の糸に変わってきました。日本の紡績メーカーも、ほとんどが海外生産に変わっています。

綿糸なら、何でもいいわけありません。

糸には、異原糸が入っていますし、染めてわかることが多いので、糸商と良く相談して購入にします。

糸商のネットワークは、織物工場にとって最高なパートナーになります。

2.分割(ワインダー)

綿織物は、必ず、経糸にサイジングします。

年々仕事量が少なくなり、少ロット化が進んでいます。そのため糸量ではなく、糸本数が足りなくなるため糸に必要な本数を用意しなければなりません。

糸量はあるけど、本数が足りなくなるので、ワインダーで1本の糸チーズを数本にして割る作業ことを分割と言います。

サイジングの前に、荒巻整経がありまして、そこから、チーズ何本、長さ何ヤードと分割依頼の連絡があり、指示通りに本数を整えます。

3.荒巻整経

荒巻整経は、サイジングする前に、生糸を荒巻ビームに巻くことを言います。

一般的には整経とは似ていますが、整経は、一端ドラムに巻いてから、織機ビームに巻きますが、荒巻は、糸から直接荒巻ビームに巻き付けます。

荒巻ビームは、基本的には500本まで巻けますが、経本数10,000本の場合は、500本の荒巻ビームを20本作ります。(参考遠州産地)

【クリルに糸チーズ】              【荒巻整経】

 

4.サイジング(糊付け)

荒巻したビームを、500本を巻いた荒巻ビームを20本を載せて、経糸10,000本を糊槽に入れながら経糸を糊コーテングする。糊付けした糸を、織物ビームに巻くこと。これがサイジング(糊付け)であります。

サイジング目的は、経糸の切れることを防止する役目である。

遠州産地は、綿糸なので、経糸には、基本的には、すべて糊付けをするのが常識である。

綿糸の切れる理由は、摩擦により糸の強度が落ちる。そのため、経糸にコーテングとし、摩擦を防ぐことと、糊を付けることにより、綿糸の強度が上がり、糸切れ防止になる。

ここまでが、一般的なサイジングであるが、15,000本の経糸をサイジングする場合は、糸に糊をどう付着させるかが技術である。

尾州では、ウールの糊付けは余りしないみたいですけど、遠州では、ウール単糸は、ほぼ糊付けを行っている。

サイジング技術は、織物の限界値を上げることができるので、ここの研究は重要になる。

5.経通し(へとおし)

経通しという言い方は、遠州だけかもしれないが、別名、綜絖通しとも言う。

サイジングしたビームが、仮に上がってきたら、10,000本を、ドロッパー、綜絖ヘルド、筬に経糸を通す作業のことです。

10,000本を通すとなると、1人が約1週間位かかるんです。

とても、重要な作業であります。また、現在では、後継者不足で、今後、遠州産地のドビー織物は、とても貴重になります。

経通しの作業の動画ありますので、是非観てください

遠州産地には、経通しがありますが、大手織物工場は、現在は、オートドローイングマシンという機械を使用しています。

10,000本などは、1日でできてしまいます。

6.織

織物を織ることです。

織物機械を織機と言います。

織りの組織は、平、綾、朱子、ドビー、カラミ、ジャガード織物があります。

織機は、

シャトル織機

レピア織機

エアージェット織機

ウォータージェット織機

スルーザー

があります。

織機の特性がありますので、どの織機も個性があり、素晴らしい織物があります。

海外のトップブランドが使用している織物は、レピア織機、エアージェット織機で大半が織られていることは間違いありません。

シャトル織機は、昔ながらのとても膨らみのある生地でありますので、根強い人気があります。

7.染

織物を染める工程です。

綿、ウール、合繊などは、基本的には、染色機械は、余り変わりがありませんが、染料の違いだったり、染めるときの温度が違ってきます。

染色機械は、基本的にはなんでも染められます。

  

液流染色機          ウインス染色機                  連続染色

まとめ

綿織物の準備工程  遠州産地の分業の役割

このような織物産地として分業システで成り立っております。

生地のコスパは、高くなりますが、産地の分業の組み合わせで、ユニークな生地が提供できます。

織物業は、労働集約型ですので、多くの分野には沢山の職人が働いており、産地からクリエーションは凄いです。

ユニークな生地作りを提案できるところが、日本の織物産地になります。


私は、静岡県でテキスタイル(織物)を、デザイン、製造、販売しています。

洋服のトラブルは、ほとんど生地の問題になります。

少しでも、洋服トラブルにならないようにお役にたてればと思い、コラムを書いています。

レビュー書いてますので参照下さい。

冬の冬の静電気なくすには。 今売れている洋服素材の特徴を知ることです

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有限会社福田織物

静岡県掛川市浜川新田771