【backyard column38】「#福田織物の手」シリーズ
2020.10.29
こんばんは
バックヤードの山本です。
今日のタイトル、良いものが浮かばなくて悩みましたが
「福田織物の手」にしました。
最近、コラムやInstagram用に
気づいたときに
こまめに写真を撮っておくようにしているのですが
そうしていると、
(こんな作業あったんだ)
と初めて知る細やかな工程を発見することが多くなりました。
同じ社内にいてもそれぞれの工程、
意外と知らないことが多く、写真を撮る行為で
気付かされることが多いです。
とくに自分は勤続年数も浅いため、
現場の各工程で、日々初めて知ることも多く
新鮮に感じるということもあります。
気付いたらiPhoneのカメラロールには
各工程の手先の写真が沢山保存されていました
本日は「#福田織物の手」シリーズを紹介します。
「#経通しの手」
糸の綾(あぜ)を見ながら、指定の順番に糸を通していく作業。
この段階で生地の設計は決まっており、
その設計に基づいた指定の順番があります。
(福田織物の経通し担当A氏のTwitterでは
日々「経通し日記」が更新されています。)
「#筬入れの手」
経通しで通したあとは、
筬という、mm単位の細やかな隙間がある
ものに糸をいれていきます。
これにも一度に何本入れるかは設計に基づき
指定があります。
この筬は後ほど織機に取り付けられ、
この筬部分で緯糸を打ち込んでいます。
「#ビームを下ろす手」
本日、初めて知った作業です。
偶然通りかかったときに気になり、
見せてもらいました。
筬通しまで終わったあと、
ビームを下ろすために筬を持って糸全体を
引っ張って筬に巻きつけています。
筬も巾も広く軽いわけではないので、
これ凄く難しい作業なのでは…
と思って見させてもらいましたが
やはりこれが一番大変な作業とのこと。
この作業が上手くいくと
この後の現場で織り付けしやすくなるそうで
緊張感のある作業だそうです。
経通しのあとにこんな工程があったなんて
知らなかった…
ちなみにこちらの作業の様子は
本日のInstagramで動画を載せました。
「#織りつけの手」
経通しが終わったビームは織機にセットされ
実際に織るための織り付け作業にはいります。
この糸を結ぶ作業、写真だと伝わりませんが
物凄く早い手捌きで結ばれています。
急ぎの織機や難しい織物などは
工場長、副工場長の二人で入ることもあるのですが
音が大きい現場のため必要最低限の会話のみ、
もくもくと織り付けをしていく姿はまさに阿吽の呼吸という感じです。
結ばれたこの部分、触るとピシッとテンションが
パンパンに張っていてとても綺麗です。
こちらも動画をInstagramの過去の投稿で載せています。
ハッシュタグ #福田織物の手 で検索してみてください。
「#織りの手」
実際に織りが始まった際は、
経糸が切れたら糸を、はた結びという結び方で繋いで、切れた部分の
ワイヤーと筬に糸を入れ直す作業があります。
経糸が切れたらその時点で織機はとまってしまうので、
スピードと正確さの両方が求められる作業です。
この作業を超ベテランのSさんに教わりましたが、
この織り作業でのスピードが驚くくらい早いです。
この作業は織機の後ろの踏み台にあがり、経糸の上に体を預けて前に身を乗り出し腕をワイヤーに届くまで伸ばすような体制で行います。
ちなみに、織り作業にはいって
手が乾燥しているときも容易にハンドクリームなどは付けられないなあ
と思いました。
ハンドクリームの油分が糸についてしまうかもしれないのと、
指先にぬめりがあると、糸についた糊が
とれて結びにくくなったりします。
「#つなぎの手」
こちらも本日初めて見た作業です。
こちらの動画もInstagramにて載せました。
ツナギ といって、織りあがったあと
織機から外さずに続けて別のビームの
経糸を繋げて織り出す工程です。
経糸の配色違いを織るときなどによく行います。
この繋ぎ目はタイイングマシーンという経継ぎ機で
結んでいます。
連絡事項を伝えに声をかけた際、
先輩が髪をとかすような櫛のようなもので
この繋ぎ目部分を丁寧に梳かしていました。
梳かした部分はどんどん糸の乱れが整い、
綺麗になっていました。
この糸を梳かすような仕草の作業は、
経通しや織り付けのときにも行われていて
とても綺麗です。
「#検反の手」
織りあがった反物は、検査にはいります。
検反機で生地を流しながら、確認していきます。
経糸が切れたり緯糸でとまった部分の跡を
ここで丁寧に処理していきます。
この処理も、数種類の道具を使いながら
慎重になおしていくので
慣れるまでは一箇所なおすだけでも時間がかかってしまいます。
ベテランの方たちの道具を持ちながら
処理していく手つきはとても美しいです。
「#生地を見る手」
よくアパレルショップなどで
(繊維関係の仕事をしている人は生地の触り方で
すぐわかる)
と言われていますが、本当にそうだと思います。
親指と人差し指で、
生地の厚みや風合い、組織など確認します。
工場だとキバタを確認するときや
営業だと加工の風合いを確認するときなど。
そのほか、生地企画の打ち合わせなど。
これはやはり織物会社なので
ありとあらゆる場面で全員が使う「#福田織物の手」です。
私も、お店で服や布ものを見るとついつい
こういう触り方をしてしまいます。笑
いかがでしたでしょうか。
今後も、「#福田織物の手」シリーズを
少しずつカメラロールに集めて
ハッシュタグ#福田織物の手
で更新していきますので是非見てみてください。
(SNSではオンタイムで日々バックヤードでの日常を更新しています。)
今週はなんだかあっという間に木曜日になってしまいました。
もう11月になりますね。
オンラインストアでは
今週は太畝コーデュロイのご注文が多かったです。
コーデュロイでコートを作るという方もいらっしゃり、
楽しみです。
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それでは1日早いですが今週もお疲れ様でした。
次回は月曜日に更新します。
山本
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