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TEXTILE COLUMN福田織物のテキスタイルコラム

【backyard column45】ドビー組織プログラムと現場でのものづくり テキスタイルデザイン奮闘記

2020.11.26

こんばんは

バックヤードの山本です。

 

本日の振り返りコラムのリンクまとめ

【先染めヨコボーダー企画とドビー組織】

【backyard column08】テキスタイルデザイン 先染め企画を振り返る

【backyard column12】コクヨのノートから生まれたストライプ柄とドビー組織

【backyard column03】ドビー織物の面白いところ

 

先日、久しぶりにピカノール織機で織りプログラムを作成しました。

春に、緯ボーダー(上記のリンクのコラム)で初めて覚えてから

かなり奮闘して作っていたのですが、

あれから少し期間があいてしまったため(覚えているだろうか、、)と不安でしたが、

前回作成した1番細かいプログラムをコピーして読み解いたらだんだんと思い出しました。

このピカノール織機のプログラム、とても面白いものです。

組織、緯糸指示、ピック数(何本入れるか)、打ち込み本数、回転(速度)、そのほか細かい

指示を、すべてこのモニターで設定できます。

 

ここでプログラムを実際にいじりながら、

織り組織やボーダーの幅、色指示など細かくその場で変更しながら

試織していくことがピカノール織機は可能です。

織機の種類によってはこれが簡単にできないタイプの織機もあるのです。

組織を打ち込むには別の機械が必要だったり、

もっっと織機そのものをいじらないと調整できないものなど。

 

私も福田織物で働き始めてから知りました。

ピカノール織機というドビー織りの幅がひろがるスペックを持っている

織機が導入されていることは、事前に下調べして知っていたのですが(入社理由の一つ)

織り組織や色指示など細かいプログラムをどの段階で

どういった方法で行えるか、ということは現場にはいってから知り、

改めてピカノール織機の面白さを実感しました。

織機の調整などは工場長・副工場長がしてくれ、私はそこでその調整をダメにしないよう

ドキドキしながら試織をしています。

(織り組織や密度をかえると突然糸が切れだしたり織れなくなったりすることがあるのです)

分からない事や、注意しなきゃいけないことは教えてもらい

私も不安なことや気になる事があれば聞きます。

が、試織をしている間は、現場の人たちは良い意味で放置してくれます。

「一回自由にやってみたらよい。でも織機は壊さないで」という感じかな、と受け取っています。笑

これはすごく有難い環境で、私も分からないなりに色々試してみようという気持ちになります。

↑組織やピッチを色々変えてみたり。

 

 

 

現場のある環境でテキスタイルデザインに携わりたかった理由は

実際に織りながら調整していくようなスタイルで企画をしてみたい、という考えがありました。

卒業した東京造形大学のテキスタイルデザイン学科では、

織り専攻の学生は全て手織り、企画から糸を測るところから染め、整経、経通し、織り付け、織りまでを

自分の手ですべてやるのが基本カリキュラムなのですが

学校なので、「課題作品」という形で進めていくわけです。

↑大学の設備はこんな感じの手織り機です。

(全部緯糸も手動でいれます。)

 

↑整経もこんな感じ

作品提出までにデザイン画や試織を重ねて、教授にプレゼンして進めていくスタイルです。

全て自分の手でやるし、学生だから作品にかける時間もほぼ有限、卓上織機でまずは小さいサンプルを織ってみたりするわけです。

 

糸や組織を検討しながら。そうやって進めていく先に、「これいいじゃん!」みたいになったときに

本番課題作品として正式に進行していくようになります。

学生なので、こういう実践の積み重ねでテキスタイルを勉強していくようになります。

(私はずっとサンプルばっかり織っているタイプでよく怒られておりました。笑)

 

ただ、こういう方法が会社という場所で、

社員という立場になったときにも出来るのか、と言ったらどちらかと言ったらなかなか出来ないところのほうが多いと思います。

量産性というものや生産性、生地の精度というものを意識しないとダメだからです。

福田織物に入社する前も繊維関係の加工工場で働いていたのですが

これは社会人になって、とことん実感しました。

ただ、私はそれを(つまらない)とは思ったことが無くてむしろその方が面白いと思いました。

織、編み、染色加工など種類に関わらず、

その量産性や生産性、精度を守るためには、圧倒的な知識、技術、経験が必要とされるからです。

これが学生のころとは圧倒的に違うものづくりの観点です。

新鮮だったし新しいことを覚えて納得できるのは面白く、全て自由な環境でのものづくりより

こういうことを意識せざるを得ない環境でものづくりに携わっていく方が自分には向いていると思いました。

 

入社前、福田織物を調べていくうちに

アパレルブランドさんの量産のお仕事もしつつ

BECCOコーデュロイのような新しい開発もやりつつ、

プレーンな綺麗めの生地も得意、

と思えば少し風変わりな生地もあるし、

ドビー織りの幅がひろがるピカノール織機もここ数年で2台も導入している。

デザインシステムも導入している。

(これは生地開発に力を入れている場所なのでは?)

ここなら現場にはいりながら自分のなるべく得意としている方法を活かしながら携われるかもしれないと思い入社を決めた次第です。

織り産地の得意不得意にカテゴライズされていないテキスタイルバリエーションにも魅力がありました。

 

学生の頃は

コレクションブランドやデザイナーズブランドのばちばちに凝った生地や服をみて

「面白いデザインだな、凝っているな、こんなの考えつくなんてすごいなあ」

と思っていましたが

社会人になって現場がある場所で働き始めてから今は

「これだけ凝ったものを量産できる状態にのせてコレクションで発表できるまでの本気のものづくりをしていることが

とにかく凄い」という思いに変わっておりました。

デザイナーさんや生産管理の方が、各テキスタイル関係者と本気で取り組んでいるからこそ

発表できるコレクションなんだろうな、と思うとそのクリエーション追求には頭があがりません。

 

自分はまだまだですが、デザイナーさんのクリエーションに寄り添っていけるような

時には自分の企画したテキスタイルをきっかけに新たなイメージを広げてもらえるような

テキスタイルづくりを目指して日々勉強していきたいと思います。

 

それでは今週もお疲れ様でした。

良い週末をお過ごしください。

 

次回は月曜日に更新します。

 

山本

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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